本日の 「642 文章練習帳」から
怒りのコントロールができなくなる「オンドリャ病」が市民の大半を侵してしまった。
人々が集まる街には暴力や犯罪が蔓延し、市民は不安と恐れから外出を控えるようになった。
経済は停滞し、弱者救済の社会福祉に税金は膨らむ一方だ。
市民は、外出時に義務として血圧計を装着しなければならなかった。
血圧が限度値を超える者は公共施設や飛行機などの交通機関を利用できない、ということだ。
血圧を下げる特効薬が闇ルートで高値で売買されたり、心理学的解決として怒りをコントロールできる瞑想や、禅、ヨーガがブームになった。
街の一角では怪しげなカリスマヨーガ指導者、黑淡が「白も黒も」という曖昧な平等主義を説いていた。
はじめは盲信した黑淡信者たちだったが、今、これがインチキ詐欺だと気が付いた。
彼らは怒りを最大MAXに、「オンドリャ!」と血眼になって雲隠の黑淡の行方を探している。」