本日の「北斎漫画」から
やって来たのは、信濃の岩橋です。
背後に大きく富士山が見えます。
ネット検索するとシーボルトが真似して描いた絵がありました。
日文研データベースより
この絵の説明では、信濃久米の付近の粂の岩橋となっています。
長野県に久米路橋という昔から有名な橋があるのでこの橋を描いたのかもしれません。
富士山はこんなに大きく見えないのですが…
この橋には悲しい昔話があります。
この辺りは年貢のとりたてが厳しく、貧しく暮らしていたある親子。
とりたての目を盗んで、病気の娘に赤飯を食べさせた父は、
娘が他の子に自慢したせいでバレて捕らえられてしまった。
罰として父はこの久米路橋の人柱として生き埋めにされた。
後にここでキジが鳴いて撃たれたのをみて、自分の身と重ねた娘は、
「キジも鳴かずにいれば撃たれなかったものを」と悲しい一言を残したという。
そんな話を知った後では、橋を渡っているのはこの父娘にみえてきて、
悲しく感じてきます…
《今日の一句》
岩橋のキジ 声に宿る 悲しきコダマ