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市川崑監督作品 その7『ぼんち』をみる

さて、同じく1960年の市川崑作品を観ます。


1960年 

市川雷蔵が主役のキクボン=ぼんちです。

中村珠緒さんは市川作品の常連ですね。
若い時の珠緒さんは、威勢の良い、今時の娘役が多いですね。

雛壇の赤など、赤色がすごくきれいです。
強調する色以外は、トーンを抑えた感じです。

障子や襖、屋根瓦などの日本建築の直線的な美しい構図が印象的です。

この映画は色を描いている思いました。


女性の登場人物を色に分けて演出しているそうです。
色男にいろいろな女。粋な遊び文化と古臭いしきたりが対比的です。

ぼんちの母と祖母は、しきたりに縛られ色がない。
 
舟場の足袋問屋の5代目のボンボン、キクボンと女性たちには色気と味気ある色があります。


戦前は、キクボンの遊びと色の粋なセンスが功して、足袋問屋も繁盛します。

ワインレッドの女性と関係したあたりから、戦争に入り、色が黒に侵食されていきます。


戦争の不景気で、着物から軍服へ。

足袋家は焼かれ、戦後は足袋も斜陽産業になり落ちぶれ、女たちもすすまみれ。

現金を女たちに渡すシーンも拝金主義で色が消えていく、これからの時代の象徴にみえます。

色を脱いだ入浴のむき出しの女たちに幻滅するキクボン。

色は匂へど 散りぬるを…

観ているうちに、この言葉が浮かんで来ました。

色は散るから美しい。