1937年
山中監督、28歳の遺作です。
『河内山宗俊』で主演の役者が出演。
これは!?
山下達郎さんのベスト映画というのでてっきり、義理人情の美しさを描いた映画かと思いきや、、
人情なんて紙風船のように軽く嘘くさいと言うお話ではないのか!?
確かに主人公の新三は、長屋の仲間に義理堅いとこもある。
約束も守るし、みんなが距離を置く海野さんにも優しく人情がある。
が、ヤボなこといわねいで、楽しくやろうぜ、と言うくらいの軽いスタンス。
群れることはなく、一人自分の美学を貫き通す。
正反対の落ちぶれサムライ、孤独でプライドが高い海野さんに一番シンパシーを感じているのも新八ではないか?
山中貞雄監督の戦地での遺言、
〇日本映画監督協会の一員として一言。『人情紙風船』が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ。負け惜しみに非ず。
とある。
日本に戻って、もう少し人情を肯定する映画を作りたかったのではないだろうか…
深みのある作品なので、時間が経ったら見直してみよう。
紙風船や人形、手紙などのカットがセリフのよう。
ずっとモノづくりをしてきたので、モノに魂がある感じがとてももいいなぁと思いました。
何にしても、山中貞雄映画は3本ともとても面白かったです。
合掌。