さて、先日観た川島雄三監督の『幕末太陽伝』がよかったので、川島作品をもう一つみてみます。
1956年
『幕末太陽伝』の前年の作品。川島監督38歳の作品。
主人公のタフガイ、他吉の一代物語。
家族なく、娘の母親亡き後、男手一つ育てた娘にも先立たれ、孫娘を育てていく。
弱音を吐かず、体も心も強く、逞しい。
「若い時に苦労させるのは身のため」と根性の教育方針を頑固に説く。
可愛い孫娘もおじいちゃんを慕い、おじいちゃんとの関係がとてもいい。
頑固じいさんも年をとり、体が効かなくなり、だんだんと煙たがられる。
川島監督は子供の頃から運動をあまりせず、本を読んでばかりいたという。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)であり、体の自由もきかなかったろだろう。
映画人生を貫いた他吉の晩年と重なってみえた。
瀕死の他吉は最後まで頑固もの、周りは迷惑だが、人生に嘘がなく納得感がある。
自分もこれから迎える老後、感謝をしながらも周りに合わせすぎず、納得して生きたいと思った
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