さて、Amazonプライムの日活プラスでみられる、川島雄三作品 『風船』をみました。
1956年
乳母車で共演した、芦川いづみさんと新珠三千代ら大スター総出演です。
時々風船が映される。
紐が切れて、フラフラ当て所もない、生き方をする戦後の生き方になぞらえているのか。
対して、男にすがりオモリのような女役、新珠三千代は時代錯誤的で重く砕け落ちる。
その彼女に生きることを教えてもらったと、珠子役芦川いづみさん。
これは、芦川いづみさんのハマり役ですね。
幼き頃病気をして、頭が弱いが純真無垢。
周囲から馬鹿にされながらも、人の本質を見ぬく。
戦後、帝国主義者、反ブルジョアなどとフラフラ彷徨う価値観の時代、各登人物の選ぶ生き方が描かれて、とても考えさせられる。
勿論、珠子のような純粋な人物は感動するが、ほとんど人間は時代に逆らえず風船のようなものだろう。
タイトルが『風船』であるように、観客に生き方を
問うている作品だと思いました。
とても面白かったです。