さて、名映画監督、市川崑さんの作品を続いて観てみます。
1967年
1945年、敗戦のため日本軍はビルマからタイへ撤退する。
主人公の竪琴を弾く水島は、砦で抵抗していた別の部隊へ降伏交渉に一人で行く。
途中、攻撃にあい、怪我をしてビルマの地を彷徨う。
水島の属した小隊の隊長は、音楽学校出身で、合図や士気統制に合唱を指導している。
厳しい戦地での音楽は戦争と平和のコントラストや異化効果がある。
水島のオウムを肩に乗せて歩く僧侶姿や、美しすぎる軍人の合唱など奇妙な印象の映画でした。
父の兄が学徒動員で、23歳の若さでビルマで病死したことを思いだした。
伯父は、東京音楽学校でチェロを弾いており、1943年ビルマで亡くなったという。
東京音楽学校の資料をみると、ビルマへ出兵した学徒はほかにもあり、本当にビルマでは音楽を演ったこともあったのかもしれない。
音楽と戦争はまったくかけ離れ、絶対に不本意な悲しい人生であったろう。
末っ子の父の学費にしてくれと、帽子に手紙とお金を置いて出兵したという、一利伯父に感謝と合掌。