さて、コクトーの映画を続けてみてみます。
1950年
「なぜなぜと質問ばかりしないで歩くんだ」
と鏡の向こうの死後の世界に案内されるシーン。
この映画もあまり考えないで、みる方がよさそうです。
すごく多層的なイメージのある映画でした。
『美女と野獣』と同じく、異世界へ行くには手袋と鏡がアイテムになっています。
死神に愛された詩人オルフェが、黄泉の世界にいく。
詩人の魂は霊界につながり、死神に愛される存在。
黄泉の国に行き受容体ができたのか、車の通信で メッセージのインスピレーションを聞き逃さないように真剣。
現実的な妻に理解されず、孤独でイライラ、また死神に会いたい、会いに行く。
死神は、大きな掟によって行動する意志のない存在。
オルフェを意志をもって愛した罪によって裁かれる。
詩人はインスピレーションを受け取るだけでなく、国家や法、社会などから真の自由意志の存在。
最後は詩人の魂が抜けたのか、セジェストが残った。
終盤にかけてのコミカルさが、コクトーの自虐なのか風刺なのか?
詩人とは何か?
『詩人の血』もいつか観たいとおもいました。