子猫チビ太とイラストの成長ブログ♪

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コクトーの映画をみる その4『恐るべき親たち』

さて、コクトー映画4本目です。


1949年

これは面白かったです!

喜劇と悲劇と少しサイコスリラーのミックスされたユニークな戯曲的作品。

コクトーの映画は、冒頭に展開が暗示されている。

2度みるとよく分からなく見過ごしていたシーンか、なるほどと思えます。

夢見がちな発明家の父親、医者の不在、散らかった部屋に死にそうな年老いた母親のシーンから始まる。
息子を溺愛する母親とマザコン息子。
母親は息子を恋人に取られるのが許せない。

豚小屋と呼ばれる散らかった部屋を、整頓好きな叔母と恋人が整頓していく。

散らかった部屋にこもる、感情的は子供の象徴。
綺麗な部屋、整頓好き、理性的、ズルい大人の象徴。

大人は子供を「ありえない!」と言いながらも愛さずに入られない。
大人には理性だけでなく心もある。
エゴのない心で解決できるのか?

しかし結局、大人も子供もエゴイスト。
それが喜劇であり、サイコスリラーにもみえる。
 
「恐ろるべき」というのは、マヌケで気がつかないという意味でも使われています。


この作品は、『双頭の鷲』と違って登場人物やセットもものすごくシンプル。


エゴと愛についても考えさせられる、味わい深い傑作だと思いました。