さて、日活プラスでみられる川島雄三作品のです。
1955年
これは面白かったです。
1955年は、戦後の日活再会1周年で昨日観た、
『銀座24帖』と同様力の入った作品。
若き日の三國連太郎さんはやはり、佐藤浩一さんにそっくりです。
魚のカジカオタクのいい演技です。
2回みて改めて感想。
ネタバレ
三国さん演じるカジカオタクの登場シーンからはじまります。
この純粋な男の登場をきっかけに、玉突きのように、今で誤魔化していた人間関係のこじれが明らかされていきます。
純粋な若者、若さ=あしたが来て運命が変わっていく。
それは契機でしかない。
結局、それぞれの思いに純粋に生きる、登場人物たち。
それで衝突し、うまくなくなるのもしょうがない。
自分に忠実なれば、覚悟して吹っ切て生きていくしかない。
最後、山に行く男とカジカに生きる男同士が通じ合い、女は見切りをつけ、たくましく強かに自立をきめる。
妥協せぬ純粋さは、破壊と創造のエネルギー。
川島監督自身や、まわりの映画人もきっとそういう生き方をしたのだろう。
決してハッピーエンドではないが、清々しさを感じた作品でした。