子猫チビ太とイラストの成長ブログ♪

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川島雄三監督作品をみる その7『あした来る人』

さて、日活プラスでみられる川島雄三作品のです。


1955年

これは面白かったです。

1955年は、戦後の日活再会1周年で昨日観た、
『銀座24帖』と同様力の入った作品。


お馴染みの、月丘夢路さん、三橋達也さん主演作。

若き日の三國連太郎さんはやはり、佐藤浩一さんにそっくりです。
魚のカジカオタクのいい演技です。

2回みて改めて感想。

ネタバレ

三国さん演じるカジカオタクの登場シーンからはじまります。

この純粋な男の登場をきっかけに、玉突きのように、今で誤魔化していた人間関係のこじれが明らかされていきます。



純粋な若者、若さ=あしたが来て運命が変わっていく。
それは契機でしかない。

結局、それぞれの思いに純粋に生きる、登場人物たち。
それで衝突し、うまくなくなるのもしょうがない。

自分に忠実なれば、覚悟して吹っ切て生きていくしかない。

最後、山に行く男とカジカに生きる男同士が通じ合い、女は見切りをつけ、たくましく強かに自立をきめる。

妥協せぬ純粋さは、破壊と創造のエネルギー。

川島監督自身や、まわりの映画人もきっとそういう生き方をしたのだろう。

決してハッピーエンドではないが、清々しさを感じた作品でした。