さて、市川崑監督作品の4本目です。
1961年
テレビプロデューサーの主人公と妻+9人の浮気相手の女性たちをめぐるブラックユーモアミステリー。
やけに女のズルさ、いじわるさが描かれていると思ったら、脚本は市川監督夫人の和田夏十さんが書いています。
和田夏十さんはご病気をするまで、市川崑作品の脚本を書いて二人三脚で制作されていたそうです。
YouTubeで市川監督ご夫妻の解説が、面白い。
市川作品が女性を美化していないのは、和田さんの視点があるからなのですね。
女性にも共感できる映画です。
冒頭は、自殺して幽霊になった女がでてきたり、やはり奇妙な演出です。
一番性格が良さそうだったが、したたかに生きられない女性の末路は悲しい。
仕事優先の男性に対して、女は仕事よりも愛よ!っときっぱりしている。
だが、愛より意地で引くに引けないようにもみえる。
妻は長年の経験から期待できないダンナを見限り、愛人に譲り仕事に生きる。少し未練はありそうだが…
最後の、前だけみてキモの座った表情で運転する岸恵子のシーン。
あの炎上している車は、はたして男の車か?
帰ってどうするのか?
なんだか怖そうなことが待ってそうだ。
観客に想像させる演出がすごいと思った。